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    履物の履き方

  • 下駄や草履は本来1〜2センチくらい踵をはみ出して履くのがルールです。 逆に大きいものを履き、踵が内に入るようだと歩きにくく、着物の裾を踏みやすいし、歩いていて疲れます。
    どちらにしても、足に合わせた鼻緒調整がされているのが前提です。粋に履く方は、鼻緒の前つぼを少しきつめにし、爪先で引っかけるようにして踵を多めに出して履きます。
  • 履物に左右はあるの?

  • 基本的に日本の履物には左右が有りません、永~い歴史のある履物です。左右のあった下駄等も過去の資料を探ると出てきますが、淘汰され現存していません。現在でも左右のある下駄や草履がオリジナルとして販売されていますが、おそらく永続きしないと思います。
    何故か? それは、左右が無い方が理にかなっているからです。前坪が中心にある方が左右の重量バランスもとれますし、接地の際のアングルも浅くなります。この辺りの考察はこちらのブログをご覧下さい。左右が無ければ左右を入れ替えて履くことが出来ます。マメに左右を入れ替えて履くと、内側だけ減る、あるいは外側だけ減るといった足癖による片減りを避ける亊が出来、より長持ちします。
    上記のように書いた所このようなご意見をいただきました。

    さて、本題ですが今回は「ご意見」といった形でメールをさせて頂きます。 福島履物店様は下駄の左右がないと仰られているようなのですが、どうも語弊があるような気がしました。 というのも、近所の履物店の店主(残念ながら昨年亡くなられました)は足にフィットするように鼻緒の内側(右足なら後ろ坪?の左側、左足なら後ろ坪の右側)をやや短めに挿げていたので左右を履き替えると違和感がありました。 店主は「人によって右足と左足で大きさが微妙に違って、それぞれを鼻緒で調整するから左右を履き替えるものではない」と言っていました。 あと、店主は「合目の場合は左右の区別があるから左右を履き替えるのは望ましくない」とも言っていました。 彼は歯が片減りすると石を取り除いて削ってくれたので、今思うと物凄くお人好しな職人だったのだと思います。 確かに、福島履物店様の言う通り、「前坪は下駄の中心」というのはわかります。 しかし、左右の足それぞれに合わせた鼻緒の調整や合目があるので一概に「左右の区別がない」とは言えないのではないのかな、と思います。

    これに関しまして、店主福嶌の個人的な考えを述べさせていただきます
    まず、一つ目の「足にフィットするように鼻緒の内側をやや短めに挿げていたので左右を履き替えると違和感がありました」ですが、下駄の鼻緒は裏側で内側と外側が繋がっているので、左右を入れ替えて履いてもしばらく履いているうちに足に合うように鼻緒が移動しますので、違和感は無くなると思います。鼻緒の穴が小さく鼻緒が太くて動きにくい場合は、裏側から鼻緒を少し引っ張った後に履けば足に合うようになじみます。
    二つ目の「人によって右足と左足で大きさが微妙に違う」件ですが、周囲の寸法が数ミリ違う程度でしたら、余程足の感覚が鋭敏で神経質な方以外は左右を入れ替えてもほとんど気にならないと思います。周囲の寸法が左右で5ミリ以上違う場合は、通販も含め当店で販売する下駄は左右がわかるように印をつけてありますので、左右を決めた下駄の入れ替えはお勧めしません。
    三つ目の「合目の場合は左右の区別がある」あるいは左右で一つの柄になる鎌倉彫や書き絵の場合ですが、履いている時には自分以外の人には左右の違いなんかわからないので、本人さえ気にしなければ入れ替えるのは有りです。脱いだときだけ左右を揃えればいいんです。
    以上、福嶌の個人的見解でしたが、左右を入れ替えないで履き続け、片減りさせて早めに新品に履き替えてくださる方が下駄屋にとってはありがたいお客様です。

  • 履物が減ってきた場合

  • 最近下駄や草履の底が減ったので直して欲しいと言ったご依頼を良く受けますが、一般的な靴やスニーカー同様、基本的に下駄や草履は減った部分を直せるような構造になっていません。(釘打ちしてある草履の踵ゴムは交換出来ます)駒下駄等は、減った部分を切り落として新しい歯を接着する歯接ぎと言う修繕技法があります。ただし最近では歯接ぎを出来る職人は皆無のうえ、工賃もばかにならないので、よほど思い入れのあるものでなければ新しい台と交換したほうが安上がりです。当店では使っていた鼻緒を生かして新しい台に挿げ替えを致します。
    右近下駄は踵に貼ってあるスポンジが減った場合、草履用の踵ゴムを付けます。スポンジより滑りにくく長持ちします。
    土踏まずより前の部分のスポンジが減った場合、この部分は接着してあるので交換は出来ません、ここまで逝ったら交換時期だと思って下さい。
    草履の場合 踵のゴムが減ったらこの部分は交換が出来ますので、減りきって皮底が露出しないうちに取り換えましょう。当店でお買い上げいただいた品は無料で打ち替えいたします。また当店では踵ゴムをネットでも販売しておりますので、釘を打てる方は自分でも直せます

  • 履物のお手入れについて

  • 使用後はすぐに箱へ入れたり下駄箱に仕舞ったりしないで、風通しの良い所で陰干ししてください、履物が湿気を含んだままだと、カビが生える事が有ります、こうなるときれいに拭き取っても跡が残ります。保管場所も湿度が低く風通しの良い所がお薦めです。
    合成皮革の草履は使用未使用に関わらず、年数が経つと表面にしわが寄ったり、ベタベタした感じになり、そのうち表面がぼろぼろと剥けてきます。これは合成皮革の劣化によるもので、こうなった場合は修理不能、寿命だと思って下さい。防虫剤を入れて保管すると防虫剤から出るガスで変色、変質する場合があるので入れないで下さい。

  • 草履

    まず布で乾拭きし埃や汚れを落とします 次にきれいな雑巾を良く絞り手早く拭きあげます。 表面に光沢のある、濡れてもシミにならない革の場合は、少量の肌へつけるクリームを薄く塗りその後良く拭き取ります。これでとれない汚れの場合は、クリーナーを必要最少限使って下さい。 佐賀錦等布地の草履は、表面を軽くたたき、埃を浮かせてから柔らかいブラシではらって下さい。 雪駄等草表の草履が汚れた場合は、薄めた食酢を付け良く絞った布で手早く拭き、後を良く拭き取って下さい

  • 下駄

    木地仕上げの白木下駄は、きれいな雑巾を良く絞り拭きあげて下さい。まめに拭くと足跡がつきにくくなります。塗り下駄は、布で空拭きします。

  • 雨が降ったら草履は履かないで下さい

  • ほとんどの草履は底が革で出来ていますので濡れると水分を含みます。接着剤によってはこれが原因で剥がれやすく なるものがあります。
    また雪駄等草表の草履は、竹の皮をきつく編み、整形、乾燥させて作ります。これが水を吸うとふやけてしまい乾いても元には戻りません。 朝から雨の時は下駄に爪革を付けて履く、雨が降りそうな時は草履カバーを持って出かけるように心がけて下さい。
    もし運悪く雨にあったら、まずよく水分を拭き取り、なにかに立てかけて陰干しをする、表面は乾いても中はまだ湿っていることがあるので、よく乾かして下さい。
    もし剥がれてしまったら
    出来れば2週間くらい陰干しをして、内部までよく乾かしてからゴム系の接着剤(製靴用という業務用の接着剤が手に入ればベスト)で貼ります。 間違ってもアロンアルファとか瞬間接着剤は使ってはだめです

    ○越デパートさん、履物の手入れを書いたしおり(当店のしおりの文面をパクッたやつ、まだ使っていますか?)著作権に触れるかどうか知りませんが、無断盗用はいかがなものかと思います。

  • 履物のサイズについて

  • 子供用

    昔からの尺貫法がこの業界では使われています。子供の履物では小さいサイズから、五寸、五寸五分、六寸、六寸五分、七寸、といった具合
    下駄によってはさらにこの上に相型(大体、婦人下駄位のサイズ)と言うのも有ります。
    1尺がメートル法では3.03センチなので、それぞれ15.15センチ、16.66センチ、18.18センチ、19.69センチ、21.21センチ(ぴったりこのサイズではない物もあります)
    対象となる足のサイズは五寸で16.5、五寸五分で18、六寸で19.5、六寸五分で21、七寸で22センチが上限となります。

  • 大人用

    大人物では、昔と比べると体位が向上しているので、それを反映して少しサイズが大きくなっています。
    婦人物の普通サイズで下駄自体の大きさは23センチ前後くらい、LLサイズで24センチ位になります。
    対応する足のサイズは、普通サイズ22.5~24センチ LLサイズで24.5センチ以上  紳士物の普通サイズで25センチ弱くらいの大きさ、LLサイズで26センチ強位になります。
    対応する足のサイズは、普通サイズ24.5~26センチ、LLサイズで26.5センチ以上が大体の目安です

  • 鼻緒挿げ

    大人物は男女とも基本となる物はそれぞれワンサイズで、それに特大サイズといった構成です。婦人物で22.5~24センチ、紳士物で24.5~26センチを一つのサイズでカバーします。こういった台に鼻緒をすげますが、そのすげ具合を足に合せて調整し、履き良い下駄や草履にします。たとえば足が小さければ前坪を少しきつめにし、逆に大きい場合は前坪を緩めにし、しっかり足が入るよう鼻緒全体のバランスを見ながら調整します さらに同じ足の大きさでも幅や甲の高さ、ボリュームによって調整する部分も違ってきます。例えばスニーカーで足の長さが実測値で25.5センチなのにボリュームのある足の為27センチを履く人でも、下駄なら普通サイズで鼻緒の調整で履けます。大事なのは、足に合わせた調整が出来るかどうか、と鼻緒の出来の良し悪し この二つで履き心地が決まります

  • 専門用語集

    天一 天二 (てんいち てんに)

    下駄の造り
    鼻緒をすげて足が入る平らな板の部分・天(天板)に歯の部分を接着して作った下駄 天を一枚板で作れば天一  二枚なら天二、三枚の板を寄せていれば天三と呼びます

    天一
  • 真物(まぶつ)

    天と歯の部分を一枚のブロックから切り出したものを真物(まぶつ)と呼びます

    真物
  • 柾貼り

    天一 天二の下駄、板目でとった真物の下駄等に柾目のきれいに通った経木を貼って見た目をよくする方法

  • 柾目と板目

    外から丸太の中心に向かって木取りすると柾目の通った下駄になります。中心を通らずに木取りすると板目になります。

    板目
  • 柾、本柾(柾目下駄)

    下駄の表面に柾目の通った下駄。下駄サイズに輪切りにした丸太から数足しか採れない貴重品。通常、柾と言ったら柾目の真物下駄のことです。

  • 前坪(まえつぼ)

    前坪解説 足の指の間に入る鼻緒の部分の事

  • ワナ

    ワナ生地表面糸が非常に細かく規則的なループ状に織られた生地のこと。画像は鼻緒裏の拡大

  • 本天(ほんてん)

    本天生地ビロードで出来た鼻緒の生地、材質の違いで正絹本天、ナイロン本天と言った呼び方をする事もあります。画像は鼻緒裏の拡大

  • 高原(たかはら)

    一般的な鼻緒の造りで、表と裏で別の生地を使用する造り。硬い生地でも裏に柔らかい生地を使う事で履きよい鼻緒に出来ます。一枚の生地を筒状にした物は丸あるいは丸鼻緒と呼びます。